ポップアップとツールチップの仕様がOSによって違う (2)

<tooltip> 要素には、マウスがツールチップ上から逃げたときに自動で閉じる仕組みがあるのだが、その挙動が Windows と Linux とで異なるのが悩ましい。

まず前回と同じテストケースを開き、 [tooltip as popup] か [tooltip as tooltip] ボタンをクリックしてツールチップを表示させる。次にツールチップ上へマウスを乗せてからツールチップの外へ移動する。
このとき、 Windows + Firefox 2 ではすぐにツールチップが閉じる。しかし、 Linux ではすぐには閉じず、さらにもう一度ツールチップ上に乗る→ツールチップ外へ移動を繰り返したときにツールチップが閉じる。この動きは果たして正しいのだろうか?

この <tooltip> 要素特有の自動で閉じる仕組みは XBL にて実装されていて chrome://global/content/bindings/popup.xml の <handler event=”mouseout”> を見ればわかる。
Windows では event.relatedTarget を調べてツールチップ外へ逃げたことを識別可能であるようだが、 Linux ではなぜか event.relatedTarget が null となり、代わりに _mouseOutCount の値が2になった時点でツールチップを閉じているようだ。

ソースコードのコメントを読むと、マウスがツールチップ上に乗った時点で _mouseOutCount が1となり、マウスがツールチップから逃げた時点で _mouseOutCount が2となってツールチップが閉じられるような仕組みを想定しているようだ。しかし、実際はマウスがツールチップに乗ったときに発生する mouseout イベントでは event.relatedTarget が null ではないため、 if (!rel) の条件は偽となって _mouseOutCount は増えない。したがって、 Linux では2回ツールチップ外へ逃げたときにツールチップが閉じるという挙動になっている。もしかしてこれはバグだろうか?

なお、Windows + Firefox 3 では、SCRAPBLOG : Bug 373518 – event.relatedTarget is never set when leaving popup にあるようにツールチップ外へ逃げたときの event.relatedTarget が null となるため、 Linux とまったく同じ動きになる。そもそも Bug 373518 自体もバグなのか何なのかよくわからなくなってきた。

例によってMacでの動作は未確認ですので、情報お待ちしております。

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2 Comments to “ポップアップとツールチップの仕様がOSによって違う (2)”

Mac でも Linux と同じ挙動のようです.
2回のマウスオーバの後,ツールチップ外に出たときに閉じました.

また,Firefox 2.0 と Firefox 3.0 とでは,挙動に若干違いがあることがわかりました.
Firefox 3.0 では,ツールチップを表示した後,下の空白をクリックしてからだとマウスオーバ 1回でツールチップが閉じました.
Firefox 2.0 では,ツールチップを表示した後,下の空白をクリックしても,通常通り 2回のマウスオーバで閉じました.

Mozilla/5.0 (Macintosh; U; Intel Mac OS X; ja-JP-mac; rv:1.8.1.3) Gecko/20070309 Firefox/2.0.0.3
Mozilla/5.0 (Macintosh; U; Intel Mac OS X; en-US; rv:1.9a4pre) Gecko/20070401 Minefield/3.0a4pre

動作確認ありがとうございます。こんどは Linuxと同じパターンでしたか。

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