SOGAR : Stengel

時に神々しさすら覚えるような神秘的な輝きと緩やかに流動するフロウが特長的な本作は、 SOGAR の作品中でも最も暖かみがあり、そして強いアンビエント性を感じさせてくれる。シームレスに展開されるアルバム構成もまた魅力的で、全編にわたり穏やかな雰囲気が続いてゆく。その一方で、ある意味終盤のクライマックスとも言える「ST.10」での繊細なメロディーが徐々に激しいDSPの洪水に飲み込まれてゆくノイジーな展開では、臨界点に達した直後至福の時が訪れるという美しいエンディングを逆にひきたてる効果をもたらしている。電子音響・エレクトロニカ・ノイズ世代が生み出した希有なアンビエントとして、最高傑作といえるのではなかろうか。