PETE NAMLOOK : Air 2 - Travelling Without Moving

副題「Travelling Without Moving」とはなんとも的を得た名句であるが、そのタイトル通り本作は実にバリエーション豊かな音楽性を散りばめ、次々と景色の移り変わる音楽紀行を体験させてくれる。フローティングスペースをゆっくりと降下していくような幕開けこそスペイシーながらも、全体的に生音を中心としたアーシーな展開。まずはTrip1のリズムを引き継ぎつつ柔らかなフルート系の音色が現れ、ペルシャあたり?を思わせる。Trip1-3の流れは大変良い。Trip4-5ではEscape風の重低音ドローン~典型的トランステクノというスタイル。その後一転、カリンバの響きに心が洗われたかと思いきや、ディジェリドゥみたいな音を配したブレイクビーツ(これは唯一スキップ対象)。終盤は妖艶なフラメンコギターの演奏、さらには真夜中のアマゾンへと迷い込んでゆく。