MOODYMANN : Forevernevermore

デトロイトの怪人Moodymannの作り出すハウスには単純な機械の反復とはどこか違う何かが潜んでおり、極めてアナログな質感を有する。ビートの間からにじみ出るドス黒くうねった何か、それは黒人の築いた歴史や精神が生み出しているのだろうか。緩めのビートに呪文のような声がループする1.をはじめ、官能的な女性ボーカルが愛やエロスを匂わすスムースなディスコ調の「Your Sweet Lovin'」や「Don't You Want My Love」、黒人達のコール&レスポンス、美しいゴスペルを歌い上げる中ハウスビートが疾走するという宗教的な側面を含んだ「The Thief That Stole My Sad Days」、マーヴィン・ゲイの死を報道するラジオのコラージュから一転アッパーなディスコハウスがミニマルに展開される「Toribute to the Soul We Lost」、そして「The Setup」や「Forevernevermore」で特徴的なように、えもいわれぬ変態性、猥雑性が潜んでいる。